2009年7月28日火曜日

貸切の謎

ヤフーのトップには
ふと思ったんだけど、主語がTDSじゃなくて嵐なのに何で借りきりじゃなくて貸切なんだ。

元々は貸し手を主語とした文脈の中で「貸切」って言葉が使われていたのが、動詞的な意味を失って、1人もしくは1団体がその場所を使用する状態そのものを意味するようになり、貸し手借り手どっちでも貸切という語を使うようになったんじゃないか、と自分なりに予想したけど、ちょっと考えるとこの考えは穴が多すぎることに気付いた。

そもそも貸し手を主語として貸切という言葉を使うのはまず聞かない(オリエンタルランドが嵐にTDSを貸切り、なんてかなり違和感あるよね)し、動詞的な意味を失ったとか書いたけど、貸しきる、という動詞は借り手を主語として普通に使われている。
名詞としての「貸切」が主語がを問わずその状態を表すようになって、そのせいで動詞「貸し切る」までが貸し借りの区別がなくなったのだ、と言う再反論は可能かもしれないがかなり無理があるように思う。

うーん、じゃあなんでなんだ?

貸し切りと借り切りで検索してたら、OKWaveでは俺と同じように、貸切が状態を表す名詞っぽくなってるといってるし、ヤフー知恵袋ではホントは借り切りだ、と言っている。
どっちもいまいち説得力がない。

OKWaveでの答えに、相撲の「寄りきり」が名詞化していて、寄り切られて負けといわずに、寄りきり負けと言うのと同じ、と言う答えがあった。
なるほどいい例えだと思ったが、考えてみるとこの例えは不適切だと言うことになる。
俺が陥ったのと同じように、「貸しきる」という動詞は借り手を主語として普通に使われているというところを考慮していないのだ。
つまり、「嵐がTDSを貸切」は「寄り切り負け」と同じで、動詞本来の意味が薄れ、状態や動作そのものを表す名詞になっているから間違っていないのだ、と言っているわけだけど、「嵐がTDSを貸しきる」は一般に良く使われる言い回しだけど、「寄り切って負ける」は明らかにおかしい。

いい例かと思ったらそうではなかった、と思ったけど、「貸しきる、という動詞は借り手を主語として普通に使われている。」と言うわかりにくい反論の意味をわかりやすく伝える上で、「いい間違い例」だったのではなかろうか。

ここまでをまとめると、理屈を重視するとOKWaveは分が悪いが、かといってYAHOO知恵袋のように誤用だとだけ言って片付けるのは説明を放棄しているように受けられるし、直感的には受け入れにくい。


借り手が貸しきるのは、全然+肯定文みたいに時代と共にOKになっていく言葉なのだろうか。

結局わからずじまいだ。

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